e-国会設立趣旨

日本にIT技術を活用した”直接民主制”を実現出来ないだろうか?

 上記がe-国会を設立した有志メンバーが過去、検討を重ねてきたテーマであった。

 今日、世界で一般的となっている ”間接民主制 ”、つまり国民が自分達の声や利益を代弁する議員を選び、国会に送る出すという政治制度は、欧米における20世紀初頭、近代国家形成時のテクノロジーを前提としている。しかし、昨今、目覚しい進歩を遂げつつあるインターネットなどのIT技術を活用すれば、民主主義本来の形により近い”直接民主制 ”が、既に実現可能なのではないかと我々は考えたのだ。

■日本型民主主義が抱える弊害
 今日、日本の民主主義は様々な弊害を抱えている。それらを改めて整理すると下記の5つに要約されるのではないか(?)と我々は考える。

1.国会の機能不全
 今日、国会のあり方は本来の民主主義本来の姿とは大きくかけ離れている。官僚の作るシナリオを読み上げる多くの国会議員達。国民の声を国政に反映しようにも、それが出来るのは、特定政治家に多額の献金や、コネを持った一部の人々に限られているという現実。国会の”形骸化”は進み、「政治を我々の手によって変えられる事など出来ない・・」との無力感、政治離れが、多くの国民や若者の間に広がっている。
2.マスコミと国家権力の癒着
 今日、政治権力とマスコミとの癒着も益々進みつつある。記者クラブ制に象徴されるように、権力側からの偏った情報を一方的に流し続ける大手報道各社。それは戦前の ”大本営発表 ”と本質的にあまり変わらないのではないか?情報は歪められ、社会の実態から大きくズレ始めている事に、多くの国民は薄々気づき始めている。
3.”専門知識 ”に欠ける国会議員、マスコミ
 高度情報化が進み、社会が益々複雑化していく中、そもそも国会議員、マスコミ関係者でさえも社会状況を把握出来ていないのではないか?一方、実社会の現場、最前線に身を置き、専門分野にも明るい民間人は数多く存在するはずである。しかし、彼等の声を国政に反映する仕組みが、今日存在していない。
4.政党へ対する不信感の広がり

 国民は”政党 ”などの中間媒体にも不信感を抱いている。下記に見る通り、現行政治システムも、一応は国民の意志を反映する形にはなっている。

市民 →  国会議員 →  政党 →  国会

 しかし、「市民」から「国会」への伝達経路において、国民の意思がどのように編集、加工されているのかは不明瞭である。「市民の声は我々の知らない所で、特定の利害、思惑により、歪められているのではないか?」との不信感も根強く存在し、無党派層は今日も拡大し続けている。

5.政治的影響力を持てないネット市民
 インターネット、iモードなどの急速な普及にも関わらず、これらITツールが日本の政治、政策決定に有効に生かされていない。インターネット上には民間による情報・討論サイトが確かに増えつづけてはいる。しかし、それら情報は匿名性が極めて高く、無責任な内容に陥り易い。このような状況は、既存マスコミに「インターネット会議室などは信用出来ない3流、4流のメディアでしかない・・」との口実を与えてしまっている。


 日本の政治的閉塞的状況を打開し、民意をより効率的に政治に反映させる上でインターネットが有効性を発揮するであろうことは、これまでも多くの知識人が予期してきた。しかし”期待”や”掛け声”ばかりが先行し、目立った成果が現れてこない事に、もどかしさを感ずる市民も多いのではなかろうか?
 日本の政治は利権の巣窟と化している。様々な政治家、官僚の利害は複雑に絡み合っており、制度改革のメスがなかなか入れ難い。そのような中で政治のIT化に関する議論を一から始め、国民合意をもってこれを推し進めるには気の遠くなるような労力と時間を要する。
 そこで、今回我々は、行政や政治家をあてにせず、インターネット上に国民の意思、議論を集約するシステムを構築。その成功例をもって後付けで行政、一般社会にそれを認知させてしまう手法を考えた。

 ”実際の国会が機能していない?それなら、現国会に代わるピカピカな国会、e-国会を我々の手で立ち上げてしまおうではないか!!”

 これがe-国会の設立趣旨である。

■e-国会が提供する4つのサービス
 e-国会は、ITによる市民の政治参加を促進するため、下記4種類のサービスを社会に提供する。

1.整然、且つ、系統的な議論システム
 今日、インターネット会議室、パソコン通信の世界ではツリー形式による議論システムが多用されている。これを利用すると、テレビ討論などように下手な司会者が議論を仕切る必要は無い。発言者が時間都合で、発言を中断させられる事もなく、参加者が社会的立場や肩書きなど関係なく、内容本位の議論を積み重ねていく事が出来る。
2.”実名アップ”による発言責任の明確化
”実名登録を完了すればあなたも今日からe-国会の議員です!”

 e-国会運営局は、掲示される情報、発言の責任を明確化させるため、”実名アップの義務付け ”は避けられないと考えた。マスコミ報道においてさえ著名入り記事が少ない今日、実名アップの義務付けは、既存メディアと一 線を画す上でも、有効であると考える。 

3.”投票”により、市民の意思表示を発信する
 e-国会にて有意義な議論が実現しても、それがただ、”議論をしただけ ”に 終わっては意味が無い。e-国会はウェブ上にて議論を公開するだけで なく、投票行動によっても、”市民の声”を、現職国会議員、マスコミ関係者 などに発信していきたい。
4.市民による議員立法作成のためのサポート体制提供
 今日、既存法律の適用例を教える大学、教育機関が数多く存在する一方、市民自らの手で法律を作成するためのノウハウを提供する機関はほとんど皆無である。この点、日本の民主主義はあまりにも貧弱ではないだろうか? 我々はe-国会の趣旨に賛同する国会議員、法律専門家ともネットワークも構築。e-国会発の議員立法実現に向け、サポート体制整備に努めていきたい。

■e-国会設立により期待される効果
 我々はe-国会が、一般市民のための議論の場を提供するだけでなく、行政、選挙のあり方などを含む日本の政治土壌全体を変えていくと期待する。下記がそれら幾つかの効果である。

1.現国会の活性化
 e-国会議員には実名登録をすれば、誰でもなる事が出来る。e-国会議員は、特定支持団体からの制約を受ける必要が無いのである。とするならば、理論的にe-国会は、実際の国会よりも一般市民の声をより正確に反映するはずなのだ。この理由から、現職国会議員も、e-国会での議論、採決の行方に関心を払わざるを得なくなるだろう。つまり、ウェブ上の仮想国会を活発化させる事により、本当の国会さえも活発化させる事が出来ると我々は考える。
2.政策に基いた政党再編、新党結成の促進
 仮にe-国会において、政策立案、説得力に長けた一個人が現れたとしよう。複数政党はその個人の獲得に向け動き出すかもしれない。e-国会は政治家としての個人資質を判断するための絶好の場だからである。或いは一人のカリスマが出現し、政策を共有するメンバーを募り、新政党や、サイバー政党を結成する可能性も有り得る。
e-国会は、政治に関心を持つ一般市民にネットワークを提供。政策ベースで人々が離合集散するためのプラットフォーム(共通の広場)ともなり得るのである。
3.選挙制度の見直し
 e-国会の議論においては、本来、政治家個人に求められるべき政策立案能力や、市民への説得力などが問われる。従来、政治家の資質とは、”選挙における資金調達、組織票の収集能力 ”と同義であった側面は否定出来ない。しかし、e-国会は、議員選出における新たな判断基準をも持ち込むかもしれない。首相公選制を実現する上でも、これは不可欠な条件であると我々は考える。
 いや、e-国会は、選挙制度のあり方を根本的に見直す契機を作るかもしれない。ネット議論に基づき、市民が政治家を選ぶようになれば、選挙に 膨大なお金をかける必要も無くなる。代議士の存在意義さえ問い正され、”直接民主制実現 ”への流れが一気に加速するかもしれない。

 我々は今後、e-国会の趣旨に賛同して頂ける多くの方々からの寄付、 その他協力を募りながら、活動の輪を社会全体に広げていきたい。民間の研究機関、大学との連携も視野に入れながら、内容の充実、運営母体を整えていく所存である。

 e-国会は、”ITを活用した直接民主制 ”に向けての壮大な実験である。多くの方々の御支援、御協力を賜りたい。



e-国会設立規約

第一章 総則

第1条. e-国会は本規約に基き、国会審議法案、e-国会議員立法、及び、政治、社会問題全般について一般市民が実名アップにて議論するインターネット会議室である。
第2条. e-国会の目的はインターネット活用による国民の政治参加、市民の手になるメディア構築を目指すものである。
第3条. e-国会は本規約によって定められた手続きによって登録されたe-国会議員、及び、運営局スタッフによって構成される。

第2章 e-国会の中立性

第4条.

e-国会は如何なる政党、宗教団体、政治家も支持する事なく、常に中立的立場で公正な議論が確保される環境を提供する。

第3章 e-国会議員の資格、権利

第5条. e-国会議員は、所属する政党、宗教、職業団体の垣根を越えたインターネット上の議論、投票による意思表示を通じ、日本の政治、社会変革を目指す。
第6条. e-国会議員には運営局が定める入会手続きに従い、実名登録を完了したすべての個人がなる事が出来る。登録は申請者が運営局から郵送発行されたユーザー名を使い、サイト接続した際、認証される。(ユーザー名の郵送には、インターネット上のはがき郵送サービスサイトなどを利用する場合があります。)
第7条. e-国会議員登録時に申請者が運営局に提出する個人情報は下記の通りである。

義務提出情報: 氏名、フリガナ、性別、年齢、生まれた年、 郵便番号、
住所、電話番号、メールアドレス
任意提出情報: 所属政党名、支持政党名、職業

第8条. 第7条の提出情報を受け、e-国会サイトにて公開されるe-国会議
員に関する個人情報、非公開情報は下記の通りである。

公開情報: 氏名、性別、年齢、出身都道府県
非公開情報: フリガナ、郵便番号、住所、 電話番号
任意公開情報: メールアドレス、所属政党、支持政党、職業

第9条. e-国会議員登録時において、意図的に偽った個人情報をもって申請した事実が発覚した場合、その議員のe-国会登録は抹消される。
第10条. e-国会議員はe-国会に開設されたすべての会議室にて発言する権利、審議法案を仮提出する権利、すべての審議法案に投票する権利を持つ。
第11条. e-国会議員はe-国会規約を順守する。規約に反する行為を犯した場合、運営局から注意、警告、発言削除、一定期間の退場勧告、除名などの指導、処分を受ける場合がある。

第4章 e-国会運営局の職務、権限

第12条. e-国会運営局スタッフは当面、e-国会創設にあたった当初メンバーにて構成される。但し、運営局はサイト運営上必要な人材を個別相談、或いは、公募などにより追加採用する場合がある。
第13条. e-国会運営局は、その企画、運営を通じ、参加者が公正なルール、対等な立場にて議論、投票が出来るような環境整備に努力する。
第14条. e-国会運営局に所属するスタッフは個々の政治理念、信条についての自由を保障され、e-国会議員に登録する権利を有するが、e-国会のサイト運営にあたっては、常に中立性、公平性をもって職務にあたる。
第15条. e-国会運営局はe-国会サイトにおいて、e-国会規約に反する行為を犯した議員に対し、注意、警告、発言削除、一定期間の退場勧告、除名などの指導、処分を与える権限を持つ。

第5章 個人情報の保護、セキュリティー

第16条. e-国会運営局はe-国会登録申請者から提出された個人情報を、サイト運営以外の目的で使用する事は出来ない。また、個人情報の流失防止、セキュリティー保持には万全もってあたる。

第6章 e-国会の発言ルール

第17条. e-国会議員はその個人の責任においてe-国会で発言する。仮に当人の発言をめぐって会議室、外部から発言に関わるトラブル、訴訟等が発生した場合、e-国会運営局はその責任を一切負うものではない。
第18条. e-国会運営局はe-国会議員による自由、闊達なる議論を保証するため、議員の発言は最大限尊重するが、下記5種類の発言についてはe-国会の設立趣旨、円滑なサイト運営を遂行する目的から禁止する。

1. e-国会における議論、運営に対する意図的な妨害発言、或いは、それと見なされるもの。
2. 公共の利益とは直接関係のないe-国会議員、その他第3者のプライバシーの暴露、或いはそれと見なされるもの。
3. 他のe-国会議員の名誉を傷つける根拠のない誹謗、中傷発言、或いは、それと見なされるもの。
4. 宣伝、公告などの商業行為に類する発言、或いは、それと見なされるもの。
5. その他、公序良俗に反する発言、或いは、それと見なされるもの。
第19条. 第18条に示された5種類に該当する発言がアップされた場合、e-国会運営局員は個人的判断によって削除する権限を持つ。尚、発言削除が適正であったかについては、後日、運営局員が構成する委員会にて審議される。
第20条. e-国会サイトにおいて発言をめぐるトラブルが生じた場合は、e-国会議員調停室にて、当事者同士の調停が図られる。運営局は当事者達の議論を、e-国会議員調停室に移すなどの権限を持ち、調停に努める事が出来るが、その結果責任まで負う事はない。

第7章 e-国会での法案審議、投票

第21条. e-国会にて審議される法案は下記の2種類である。

1.現国会審議中の法案
e-国会議員は実際の国会で審議されている法案の中から、e-国会審議に相応しい法案を選び、大会議室へ仮提出する事が出来る。仮提出された法案に、仮提出者本人を含む10名以上の発言が付いた場合のみ、e-国会の正式審議法案として承認される。その後、審議は法案審議室へ移され、投票期日が設定される。
2.e-国会議員が作成する議員立法案
e-国会議員は自ら議員立法を作成、仮提出する事が出来る。
e-議員立法仮提出を希望する議員は、指定されたフォーマットに議員立法の骨子を記載、提出する。
第22条. e-国会における法案審議期間、投票期間は下記の通りである。

1. e-国会審議法案が現国会審議法案の中から選ばれた場合、その審議期間は、法案が法案審議室に移されてから最低2週間、最大1ヶ月間とする。投票期間は1週間とする。いずれも現国会でのスケジュール等を勘案し、運営局が決定する。
2. e-国会議員による独自の議員立法が仮提出された場合、その審議期間は、法案が法案審議室に移されてから1ヶ月間とする。投票期間は1週間とする。
第23条. 投票は ”賛成 ”、”反対 ”、”白票 ”の、いずれかを選択する方法にて行われる。運営局は投票期間終了と共に、”有効投票数 ”、”賛成票数 ”、”反対票数 ”、”白票数 ”、”無効投票数 ”を集計する。法案は有効投票数の過半数以上をもって可決、過半数未満をもって否決とする。
第24条. e-国会議員が投票出来るのは1法案につき1回に限られる。仮に複数回投票しても、2度目以降は無効となる。

第8章 提出法案の取り下げ、修正、及び、再提出

第25条. e-国会に提出、仮提出された法案は、提出者本人の意思により、何時でも取り下げる事が出来る。
第26条. e-国会、法案審議室に提出された法案は、提出者本人の意思により一部修正を加える事が出来る。その際、提出者本人の希望により、修正法案の審議期間を10日間延長する事が出来る。
第27条. e-国会議員は過去にe-国会に提出、或いは、仮提出し、その後、取り下げた法案を修正し、新規法案として再提出する事が出来る。その場合の審議手続きは、第21条、第22条に定められた一般審議法案と同じである。

第9章 採決された審議法案の扱い

第28条. e-国会にて採決された審議法案は、下記の通り、社会に発信される。 

1. 現国会審議法案から選ばれ、e-国会にて審議された全法案の採決結果はアンケートを付けて、すべての国会議員、マスコミ関係者にEメールにて通知する。
2. e-国会議員が独自に作成し、e-国会にて審議された議員立法の採決結果については、過半数以上をもって可決さえた法案のみ、アンケートを付けて、すべての国会議員、マスコミ関係者にEメールにて通知する。

第10章 参考人招致室における発言

第29条. 発言者が公共の利益に関わる重要情報を持ちながらも、氏名を明かす事により、立場上の不利益、外部から危害を受ける事が予想される場合、参考人招致室に限り、発言者は氏名非公開のまま発言する事が出来る。
第30条. 参考人招致室において、氏名非公開にて発言を希望するe-国会議員は、氏名を明かせない理由、発言内容の趣旨など添え、運営局に申し出る事が出来る。運営局メンバーによる審査会にて、その妥当性が認められた場合、e-国会運営局は申請者に ”氏名 ”に代わる ”発言者番号 ”、及び、発言に必要な専用ユーザー名、専用パスワードを発行する。
第31条. e-国会運営局は、参考人招致室で使用される発言者番号、専用ユーザー名、専用パスワードを与える権限、また、それを取り消す権限を有する。

第11章 署名募集について

第32条. e-国会議員が署名募集案件を持つ場合、所定の手続きに則り、”署名募集”のページにて募集活動を行う事が出来る。
第33条. 署名募集を希望するe-国会議員は、大会議室の ”署名募集案件を提出する”のボタンを押し、”署名募集フォーム ”に必要事項を記入し、内容をアップする。提出者本人を含む3名以上のe-国会議員から掲載への賛意が表明された場合、署名募集案件は、”著名募集 ”のページに掲載される。
第34条. 署名募集期間中、賛同者名簿はe-国会運営局の管理下にあるが、募集期間の終了をもって賛同者名簿は署名募集人に渡される。それ以降の名簿管理責任は署名募集人が一切負う事とする。
第35条. 署名募集案件への応募は、各e-国会議員の自己責任にて行う。
第36条. 署名募集人はその連絡先を公開し、署名案件に対する問い合わせに応ずる義務を負う。

第12章 e-国会議員の著作権

第37条. e-国会サイトにおける発言は、発言者本人の著作権に帰属する。発言者の許可無しに、これを他へ引用、転載する事は禁止する。

第13章 雑則

第38条. e-国会の運営規約は運営局員が構成する委員会の承認をもって策定される。運営規約、e-国会の名称は運営上の理由により、変更される場合がある。
第39条. e-国会の運営経費は当面、一般市民からの寄付金によって賄われるが、将来的には会費制も検討される。但し、会費正が導入される場合は、運営局の責任において ”運営局からのお知らせ”、その他の方法により、その旨がe-国会議員に告知される。
第40条. 本規約が想定しない事態が発生した場合の判断、対応はe-国家運営局に全面的に委ねられる。
第41条. 本規約は平成14年2月1日をもって施行される。



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